【職人様訪問コーナー】
咲矢弓道具では、弓道愛好家の皆様と、弓道具製作者様、弓道具店様をより良く、
お繋ぎすることを目標に活動しています。
当コーナーでは、職人様にスポットを当て、弓道具と、その人を紹介させて
いただきます。
第1回は、薩摩弓 一燈斎の作者の桑幡さんです。
薩摩弓始祖となる、服部喜寿(はっとりきじゅ)の教えを受け継ぐ、誰もが知る
薩摩弓を作製する弓師さんです。
鹿児島空港を降り、車で緑の豊かな景色を15分程度走ると、町が開けます。隼人町、
名前から格好良いです。その一角に、大きい敷地にひっそりと佇む、古いけれど
とても素敵な工房があります。
扉も無く、開け放たれた空間は、自然に頭が下がりました。
靴を脱ぎ一歩中に足を入れると、今は亡き、先代・先々代の方の仕事への思いが、
部外者の奥への侵入を拒むように、僕をそこに止まらせます。桑幡さんが、
作業を黙々としておられ、中に入るよう指示していただいたおかげで動けました。
作業の手を止められ、そこから多くの話をしました。
話の途中、少しずつ工房の奥に進み、何枚か写真を撮らせていただきました。あっと
いう間に3時間が過ぎていました。私が取材素人の為、途中メモを取りたい気持ちに
なりますが、そこで、桑幡さんの話や思いを途切らせることが、大切な何かを逃し、失う
かもしれないと感じ、結局メモはほとんどありません。取材から2日経ち、今思い
出しながら書いていますが、ほとんど忘れているようです。私の体と脳のどこかに、
沁み込んでいることを願うばかりです。
撮影した写真の一部を掲載します。薩摩弓については、後日“第2回薩摩弓 一燈斎の作者の桑幡さん”の紹介が
あれば、その時にお伝えさせていただきます。第2回に向けて、ご意見・ご質問等が
ございましたら、咲矢弓道具サイト内お問合せフォーム、咲矢twitterからお送り下さいませ。
最後に、桑幡さんから皆様に、『弓師さんて、こんな複雑なことを、こんな簡単に
やっているんだ。ということを思ってもらえると嬉しいですね。』と伝言いただきました。
追伸、第2回があれば、その時に写真の意味を、桑幡さんの了承の範囲で伝えさせて
いただきます。