【咲矢弓道具 職人様訪問コーナー】
咲矢弓道具では、弓道愛好家の皆様と、弓道具製作者様、弓道具店様をより良く、
お繋ぎすることを目標に活動しています。
当コーナーでは、職人様にスポットを当て、弓道具と、その人を紹介させて
いただきます。
第4回は、㈲横山黎明弓製作所の横山黎明三代目横山黎明先生に取材をさせていただきました。
取材は、令和3年11月にさせていただきました。
今回の取材場所は、愛知県で開催されました、第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会(KOUGEI EXPO IN AICHI)会場にて、お話を聞かせていただきました。
お忙しい中、色々貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
Q.弓作りで大切にしている事を教えて下さい。
A.・矢勢を意識しています。
・具体的には、胴を一番大切に考えています。
・引き成りは、スムーズな放物線になるように。
・弓の動き易い所から動き始め、最後に胴が効いて全ての力を矢に加えていく、そんなイメージです。
・皆様のご要望に応えられるように、多少胴が入っているのが良いかな、
と思い作製しています。
Q.弓道愛好家の皆様に一言お願いします。
A.・リピーターが多いことに、とても感謝しています。
・女性の射手の皆様にも愛されるように、胴は細く仕上げるようにしています。
・矢飛びと引き味を楽しんでいただければと思います。
Q.お勧めのお手入れ方法はありますか?
A.・弦を張る時は、握りを持って下さい、とお願いしています。
・弓把は、15㎝裏反り、弓弝共に15㎝を基準に作製しています。15㎝の時に、弓の能力を最も引き出されることをイメージしています。
・裏反りも15㎝程度を基準にイメージしています。
・季節の変わり目等、急に温度が変わる時期は、気を付けて欲しいですね。
・室外と屋内の温度差がある場合は、変化した気温に慣らしていただくことが、重要だと思います。(せめて15分以上は慣らしていただきたいです。)
Q.弓作りで大変な所を、少しだけでもお教え下さい。
A.・竹削りは、左右均等でありながら、弓の能力を最大限上げていくように、強弱を考えながら削り上げます。
・打ち込みは、気温・室温・時間を全て考えた上で、一気に仕上げていきます。温度計とにらめっこです。温度が適温を越えたら作業はしません。以前は、午前2時、3時から打ち始めたものですが、働き方改革により、現在は多少人間らしくなったかと思います。
・夏場打ち込み、冬場打ち込みによる製品差は無いように作製していますので、安心してお使い下さい。
今回は、お忙しい中、丁寧にお教えいただき、ありがとうございました。
Q.最後に、好きな食べ物を教えて下さい。
A.芋焼酎です。
Q.食べ物をお願いします。
A.・豆腐と納豆です。削り節を載せて減塩醤油を、ちろっとかけたものです。
Q.…それは、更に美味しく芋焼酎を楽しむための品ですね。
A.そうです。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
インタビューを終えて、横山黎明先生は、終始にこやかに応対いただき、色々な事を教えていただきました。
人柄の良さ、真摯に仕事に向き合う姿が、体から、言葉から溢れてきます。インタビューしている私まで、優しい穏やかな気持ちになりました。黎明先生のそばには、更に、にこやかなお顔の四代目がいらっしゃり、更なる横山黎明先生のご活躍、ご発展が感じられました。いずれ、工房を訪問させていただき、又、色々な教えをいただきたいと思いました。ありがとうございました。
横山黎明三代目様 お手姿