いつも咲矢弓道具をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
この度、オーダーメイド矢の矢羽としてご好評をいただいております「黒ヤリ羽」に、新たに「染め抜き柄」(全29種)が加わりましたので、ご案内申し上げます。
今回のラインナップ追加により、これまで黒一色のご提供であった黒ヤリ羽に、高いデザイン性と視認性が備わりました。また、近的矢・遠的矢ともにご選択可能となり、より多くのお客様のご要望にお応えできるようになりました。
新登場「黒ヤリ羽 染め抜き柄」について
「黒ヤリ羽を染め抜く」という作業は、上級の職人であっても困難なものでした。その理由は、羽質が強く、密度が高いために色抜きがしにくいことに加え、羽自体が細く、繊細な作業が求められるためです。
これまでご紹介が叶いませんでしたが、今回、職人先生方のお力を合わせることで、ついにこの困難な加工が実現いたしました。
黒ヤリ羽は高性能である一方、「色が黒いため、矢が見えにくい」というご意見もございましたが、染め抜きによって白(クリーム色)に近い部分ができたことで、視認性が向上し、矢を認識しやすくなりました。特に「全抜き」や「先白」などの柄は、視認しやすさと耐久性、矢飛びの良さを高いレベルで実現するため、お勧めです。
性能と特徴
羽質
黒ヤリ羽は、手羽の「石打(いしうち)」※1と称されるほどの羽質の良さ(矢飛び、丈夫さ)を持ちます。飛翔力に優れているため、特に13kgくらいまでの弓力(並寸、伸寸、四寸伸共に)の方に特にお勧めです。
頬付け
通常の手羽や尾羽と異なり、ほぼ鋏を入れないで仕上げるため、強いにもかかわらず、頬付け※2の際の感触は柔らかく、心地よいものとなります。
希少性
染め抜き柄の黒ヤリ羽は、矢として仕上げるまでに多くの手間がかかり、その加工には技術的にも高度なものが求められるため、これまで「知る人ぞ知る品」でした。
※1 石打(いしうち)とは: 一羽から左右各一枚(尾羽の左右の端の各一枚)しか取れない、非常に貴重な羽を指します。
※2 頬付け(ほおずけ)とは: 会において、矢に付いた羽を頬に触れさせる技術です。毎回同じポジションを取りやすくなり、的中の安定に繋がります。
黒ヤリ羽は、従来より使用感の良さから人気の羽でありましたが、この度の染め抜き柄の実現が、皆様のわくわく向上のお役に立てましたら幸いです。
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