前回、竹弓『順清』についてブログを執筆してから、2年以上が経ちました。
今回、価格改定にともない改めて、順清先生に取材いたしました。
順清先生の弓が当時よりさらに進化していることは、日々弓を取り扱わせていただく中で感じていましたが、それには理由がありました。
順清先生が語る”進化の理由”
材料の個体が良くなってきました
竹藪一つをとっても、元は管理されていなかったところからスタートし、枯れた竹や、混んだ竹を整えることで、良質な竹林へと育て上げました。
さらに、その後の材料管理も上達したことで、一つ一つの素材のレベルが向上しています。
結果として、弓返りが速く、矢飛びが良く、しかも軽い弓(冴えた弓)を目指し挑戦しても、しっかり弓が収まり応えてくれるようになりました。
自然に身を任せられるようになりました
弓作製において、型やルールがある中でも、一つ一つの材料の個体の個性に合わせて柔軟に対応できるようになってきました。
これにより、一張り一張りの能力を最大限引き出せるように調整できるようになってきました。
これらの点に加え、順清先生の特徴である丁寧さと試行錯誤を重ねた努力により、以下のように矛盾することを高いレベルで両立させています。
“冴え”と“取り扱いのしやすさ”
“軽さ、引き味の柔らかさ”
”故障率の低さ”
『順清』の特徴
一言で表すとしたら、”気持ち良い”という言葉が最も適しています。
丁寧な素材管理と村取りから生まれる、取り廻し時の気持ち良さ、そして引っかかることのないように仕上げられた引き分け。
たとえば、
「離れ後に弦が弓手を追い抜き、弓返りする時の、順清先生の弓の感触がとても好き」
と教えていただいた先生の言葉にもある、離れ後の弓の挙動やその後の優しい収まりは、まさに順清ならではの特徴です。
特に「上作 ハゼ側木」は、より優しく、軽い仕上がりとなっているかと思います。
竹弓を愛する皆様のおかげで、順清先生の評価もますます高まっています。
そのため、ご注文からお渡しまでの時間が少しずつ長くなっておりますが、できるだけ多くの弓道愛好家の皆様に喜んでいただけるよう、努力してまいります。
※手幅細等の細村仕上げにも対応可能になりました。ご希望の方は、作製に時間がかかりますが、ぜひご相談ください。なお、幅のミリ指定には対応しておりませんので、ご了承ください。
※受注製作品ですが、現在、一部のサイズ・弓力の在庫がございます。詳細は下記の商品ページでご確認ください。
咲矢弓道具スタッフ一同